【Web広告の常識】商品認知ステージに応じたコピーライティング術
『ポチらせる文章術』(大橋一慶 著)というコピーライティングの解説書を読み、
そこに「売りたい商品に対する相手の興味関心度合いに合わせて、コピーを書き分けましょう」といった趣旨が書かれており、強く共感しました。
ターゲットを細かく絞り込めるウェブ時代の文章術として、ターゲットに応じてコピーを書き分けるという発送は非常に重要だと思います。
そこで今回は、『ポチらせる文章術』の内容にも触れつつ、ターゲットユーザー別のコピーの書き分け術をご紹介していきます。
商品認知ステージとは
『ポチらせる文章術』の中では、ターゲットユーザーを「商品認知ステージ」という言葉で分類していました。
「商品認知ステージ」の考え方は下図にまとめました。
「商品認知ステージ」は4段階に分かれています。
①が最も売りやすく、④に近づくにつれて売ることが難しくなります。また、ユーザーのボリュームは、①が最も少なく、④に近づくにつれて大きくなります。
『ポチらせる文章術』で大橋さんが提示した分類以外にも、こうした興味度合いを軸にした消費者の分類方法としては「AIDMA」理論が有名です。
下図の通り、消費者の購買行動は「Attention→Interest→Desire→Memory→Action」と進んでいくという考え方です。
マスメディア時代のコピーライティングでは、ターゲティングの絞り込みに限界があるため、大衆の誰にでも刺さるメッセージを届けます。
一方、ウェブ時代のコピーライティングでは、精緻なターゲティングが可能になったため、各ターゲットの心理状態(インサイト)に応じて細かく書き分ける必要が出てくるのです。
媒体・ターゲティング別の商品認知ステージ
ウェブ上の消費者の商品認知ステージは、主に媒体とターゲティング手法によって異なります。
そこで、媒体・ターゲティング別の商品認知ステージを一覧表のように整理してみました。
もちろん、ターゲティングの設定はグラデーションのように広くも狭くもコントロールできるため、以下の一覧表は目安としてお考えください。
媒体 | 商品認知ステージ |
---|---|
リスティング広告(Google、Yahoo!など) | ★★★★★ 高 |
バナー広告(GDN、YDN、Facebook、Twitterなど) | ★★★☆☆ 中 |
動画広告(YouTube、ニコ動など) | ★☆☆☆☆ 低 |
リスティング広告のキーワード(ランニングシューズの例) | 商品認知ステージ |
---|---|
「ナイキ ペガサス37 サイズ感」 | ★★★★★ 高 |
「初心者 ランニングシューズ おすすめ」 | ★★★☆☆ 中 |
「ランニング ダイエット」 | ★☆☆☆☆ 低 |
バナー・動画広告のターゲティング | 商品認知ステージ |
---|---|
リターゲティング(ほぼ全媒体) | ★★★★★ 高 |
連絡先リスト(GDN、Twitter、LINEなど) | ★★★★★ 高 |
訪問者類似(ほぼ全媒体) | ★★★★☆ やや高 |
キーワード ターゲティング(GDN、YouTubeなど) | ★★★☆☆ 中 |
チャンネル ターゲティング(YouTube) | ★★★☆☆ 中 |
ハンドルタ ーゲティング(Twitter) | ★★☆☆☆ やや低 |
アフィニティ ターゲティング(ほぼ全媒体) | ★☆☆☆☆ 低 |
ブロードリーチ(全媒体) | ★☆☆☆☆ 低 |
商品認知ステージ別の適切なコピー
ここからは『ポチらせる文章術』の内容を要約する形で、商品認知ステージ別の適切なコピーライティング術をご紹介します。
商品認知ステージ①(高認知層)向けコピー
[box class=”blue_box” title=”高認知層のイメージ”]・商品に対して良いイメージを持っている
・商品の知識を持ち、ベネフィットも知っている
・その商品を欲しいと自覚している[/box]
[box class=”green_box” title=”コピーのポイント”]・商品名を入れる
・悪目立ちしないような、王道感を演出する
・購入のダメ押しとなる、魅力的なオファー(割引、限定性訴求)を語る[/box]
コピーの例
[スニーカー商品名]、遂に登場。
このメールを見たあなただけに先行購入のチャンス。
*在庫には限りがあります。
商品認知ステージ②(中認知層)向けコピー
[box class=”blue_box” title=”中認知層のイメージ”]・商品名は聞いたことがある
・競合商品との比較検討中
・ベネフィットが得られると確信できていない[/box]
[box class=”green_box” title=”コピーのポイント”]・商品名を入れる
・ベネフィットを語り、想像させる
・競合や旧モデルと比べたときの優位性を語る
・社会的証明や権威付けを用いる[/box]
コピーの例
[電動歯ブラシ商品名]は、毎分約○回の超高速振動により、丁寧に歯垢を除去。
歯を白くし、歯周病の進行を防ぎます。
歯科医師の使用率10年連続No.1。
「歯を白くし、歯周病の進行を防ぎます」はベネフィット、
「歯科医師の使用率10年連続No.1」は社会的証明です。
商品認知ステージ③(低認知層)向けコピー
[box class=”blue_box” title=”低認知層のイメージ”]・ぼんやりとした悩み、欲求を持っている
・しかし、その解決方法が分からない[/box]
[box class=”green_box” title=”コピーのポイント”]・悩みや欲求をコピーの導入(フック)にする
・悩みや欲求の解決方法を提示する
・ベストな解決方法として、最後に商品名を出す[/box]
コピーの例
「会社を辞めたいけど、言い出しにくい。辞めさせてもらえない」
そんなときは、法律知識の豊富なプロに任せれば一発解決。
[退職代行サービス商品名]は退職の手続きから有給休暇の交渉まで、一括して代行します。
商品認知ステージ④(無関心層)向けコピー
顧客になるまで育てることは困難。ターゲティングから除外することが得策です。
ただし、商品の全く新しい使い方を提示するなど、商品の再定義によって関心を持ってもらえる可能性はあります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回ご紹介したコピーライティング術はもちろん、リスティングやメルマガなどのテキスト広告だけでなく、バナー広告、動画広告、LPなどあらゆる形式のコピーとして応用できます。
今後、Web広告のターゲティングの精度は上がっていくことが予想されます。
ターゲティングに応じたコピーライティング術を身に付け、コンバージョン獲得を増やしていきましょう。